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京の町家のおばんざい歳時記
11月

行事ごとに伝統的な献立をご紹介させて頂きます。家ごとに少しずつ異なったり、もうすたれてあまり家庭では作られなくなったものや、記憶にあるなつかしい料理等も含まれています。
京町家意匠会議(髙橋、髙橋、藤田、吉竹、吉井)

8日 お火炊き

火を使う職業の家(染屋さん等)で薩摩木を焚き、火の要心を祈念します。
おたまの形の焼印をおした紅白まんじゅう、三角形のおこし、冬みかんを供えたあと、そのお下りをセットにして近所に配ります。

14日 お十夜

10月から11月にかけて全国の浄土宗の寺院で広く行われる念仏会です。 「お十夜」「十夜法要」「十夜講」「十夜念仏」等ともいい、正しくは「十日十夜(じゅうにちじゅうや)」法要と呼ばれます。 云々、陰暦の10月5日の夜から15日の朝まで十日十夜にわたる法会(ほうえ)でした。 この法会は浄土宗の最も大切な御経の1つ「無量寿経」の巻下に「この世において十日十夜の間善行を行うことは、仏の国で千年間善行をすることよりも尊い」と説かれていることによって、その教を実践したもので、十日十夜にわたり不断念仏を称えて別時の念仏を修し、阿弥陀様のお慈悲に感謝する法要であります。

この法会が初めて営まれたのは、今から550年ほど前(永亭年間)伊勢守平貞経(いせのかみたいらのさだつね)の弟 貞国が京都の天台宗の真如堂で修したのが始まりとされています。 その後、明応四年(1495年)に現在浄土宗の大本山の一つになっている鎌倉の光明寺の第八世の観誉祐崇上人(かんようゆそうしょうにん)の後土御門天皇に招かれ、宮中で「阿弥陀経」の講義をされ、さらに真如堂の僧と一緒に引声(いんせい)念仏を修し勅許を得て光明寺で法要を行うようになりました。これが浄土宗でのお十夜の始まりで今では浄土宗の大切な法要となっています。

お十夜は念仏の尊さを知り感謝の気持ちを込めて、これをお称えする大切な法会です。 今日ではその期間も10日間から5日、3日あるいは1日と短縮されて行われていますが、この大切な念仏会に参加し、仏の国での千年の善行にも勝る善行をぜひ積んでいただきたいものです。 昨今は夜店が出る程度で、この行事もすたれてしまったようです。

15日 七五三参り

男子は3才と5才、女子は3才と7才になると、盛装して氏神さまへお参りします。千歳あめを神社より頂き、そのあと家族で外食したり、家族で仕出屋さんからとったりしてお祝いの席を設けます

中旬 お千度

町内の住民有志が揃って氏神様にお参りし、お祓いを受け、あと直会(なおらい)の会食をしたり、茶店で名物のだんごを頂いたりします。(9月にお参りする町内もあります)

お漬物、いろいろ

11月も中旬を過ぎると茎大根や蕪、水菜(壬生菜)白菜 等、お漬物の材料が出回ってきます。

蒸し物、いろいろ

木枯らし一号が吹き、北山時雨が振り出すころになると、京都の底冷えが堪えてまいります。
暖かい蒸し物やなべ料理の出番です。

町家暮らしの知恵を拝借

おばんざいのレシピや暮らしの知恵をご提供いただいている方々をご紹介致します。

京の町家 暮らしの意匠会議

京町家に伝わる知恵を今に伝えるべく活動されています。NHKの「ためしてガッテン」にも出演されました。

京の町家 暮らしの意匠会議

料理研究家 杉本節子

京町家で高名な杉本家に伝わるおばんざいを継承。料理研究家としても活躍されています。

料理研究家 杉本節子